
スマートフォンの画面をスクロールしていて、ふと指が止まる。そんな経験はありませんか?そこに映っていたのは、真っ青な空に吸い込まれそうなほど鮮やかなピンクの壁や、宝石をこぼしたようなカラフルな家々。
こんなメキシコの街並みを目にしたとき、私たちの心はなぜかパッと明るくなるような気がします。
「いいな、この自由な感じ!」
「見ているだけで、なんだか元気が出てくる」
もし今、あなたがそんな風にメキシコの色彩に惹かれているとしたら、それは心が「新しいワクワク」を求めているサインかもしれません。
この記事では、その魅力を”3つの視点”からひもといていきます。
メキシコの「色」の秘密をのぞきながら、今の暮らしをちょっとポジティブにしてくれる「色」の取り入れ方も、あわせて探していきましょう。
目次
街全体がキャンバス!息を呑むメキシコのカラフルな街5選

メキシコには、まるでおとぎ話の世界に迷い込んだような景色が、あちこちに点在しています。
「こんな場所、本当にあるの?」
思わずそう言いたくなるような、鮮やかな色の洪水。 ひとくちに“カラフル”といっても、街によってその表情は驚くほど豊かです。
坂いっぱいに宝石をちりばめたような街、やわらかなパステルに包まれる穏やかな街、そして歴史の深さを物語る重厚な色彩──。 旅する気分で、心ときめく5つの街を巡ってみましょう。
1. グアナファト(Guanajuato)
〜おもちゃ箱をひっくり返したような、色彩の迷路〜

山あいの斜面に沿って、色とりどりの家々がパズルのように並びます。展望台から見下ろすと、まるで宝石をちりばめたような輝き。路地の角を曲がるたびに新しい色に出会える、ワクワクが止まらない街です。
- 映画『リメンバー・ミー』のモデルと言われる幻想的な世界。中でも「ピピラの丘」から見下ろす夜景は、まさに宝石箱をひっくり返したような輝きです。
2. イズマル(Izamal)
〜すべてが幸せの黄色に染まる、太陽の街〜

街中の建物から教会まで、すべてが鮮やかな「イエロー」で統一された不思議な場所。マヤの遺跡が溶け込む静かな街並みを歩いていると、心の中まで光が差し込んでくるような、穏やかな幸福感に包まれます。
-
街の象徴である「聖アントニオ修道院」。どこまでも続く巨大な回廊の柱から壁まで、視界のすべてが鮮やかな黄色に染まる光景は圧巻です。青い空とのコントラストも美しく、まるで光のトンネルを歩いているような特別な体験が待っています。
3. サン・ミゲル・デ・アジェンデ(San Miguel de Allende)
〜夕陽が描き出す、ドラマチックな古都の色彩〜

深い赤、オレンジ、テラコッタ。歴史ある石造りの建物が夕陽に染まる瞬間は、思わず息を呑むほどの美しさです。洗練されたギャラリーやカフェが並び、大人な感性を刺激する色彩があふれています。
- 街のシンボル「パロキア教会」は、夕暮れ時になると空の色と溶け合ってさらに幻想的な表情に。キャンドルの灯りが灯り始める路地裏は、大人のためのロマンチックな余韻が漂う場所です。
4. プエブラ(Puebla)
〜タイルが奏でる、繊細で気品ある彩り〜

伝統的な「タラベラ焼き」のタイルが壁一面を飾る、独自の美しさを持つ街。パステルカラーの壁と、幾何学模様のタイルのコントラストは、まるで上質なテキスタイルを眺めているかのような気品を感じさせます。
- 別名「砂糖菓子の家」と呼ばれるカサ・デ・アルフェニケ。繊細な白い漆喰細工とタイルの組み合わせは、まるで芸術品です。落ち着いた大人の美しさを楽しみたい人にぴったりの街です。
5. オアハカ(Oaxaca)
〜手仕事のぬくもりと、伝統が息づく深い色〜

落ち着いた黄色や深い緑、大地のような茶色。伝統的な織物や民芸品の色彩が、街のあちこちに息づいています。単にカラフルなだけではない、歴史と文化が織りなす「深い色」の余韻が、心に深く刻まれる場所です。
- 伝統行事「死者の日」には、街中にオレンジのマリーゴールドがあふれます。人々の祈りと暮らしが、鮮やかな色となって街を彩ります。
なぜメキシコの街はこんなにカラフル?

〜カラフルな街に隠された、メキシコの色の意味と文化〜
あまりにも日本の風景とは違う、メキシコの街並み。
「どうして家の壁がこんなに色とりどりなの?」
「それぞれの色には、何か意味があるのかな?」
そんな素朴な疑問が、ふと浮かんできますよね。この章では、あの美しい色彩に隠された“理由”と、そこに込められた“想い”について紐解いていきます。
色に込められた意味
メキシコでは、色は単なる建物の飾りではありません。「生きている喜び」や「生命力」を表す、とても大切な表現のひとつなのです。
古くから鮮やかな色は「元気のしるし」と考えられていて、色にはそれぞれこんな意味が込められています。
| 意味 | ||
| イエロー | 太陽・豊かさ・生命力 | |
| オレンジ | 活力・エネルギー | |
| ピンク | 幸福・お祝い | |
| ブルー | 安心・信頼 | |
| グリーン | 自然・希望 |
こうした色が日常にあふれていることで、人々の暮らしを明るく前向きに彩っているんですね。
文化から見える「カラフル=ポジティブ」という価値観
メキシコには、どんなに大変な時でも「明るさとユーモア」を忘れないという素敵な考え方が根付いています。色を楽しむ文化は、そんな考え方と深く結びついているのです。
■お祭りに見る「色のパワー」
その象徴ともいえるのが、「死者の日(ディア・デ・ロス・ムエルトス)」です。この祭りでは、街がマリーゴールドのオレンジや鮮やかな装飾で彩られます。
亡くなった人を悲しむのではなく、「再会を祝う」という考え方が根底にあるからです。
“死”を人生の一部として明るく受け入れる。そこに、メキシコの人々の前向きな精神がよく表れています。

■手仕事が生む「温かみ」
また、街の色は伝統的な刺繍や織物の色ともつながっています。手で染め、織り、仕上げてきた文化の延長に、あの色彩があります。
壁の色をよく見ると、少しムラがあったり、時間とともに褪せていたり。でもその「完璧すぎない感じ」が、どこか心をゆるめてくれます。
人の手の温もりが、そのまま街の表情になっているのです。

歴史からひもとく、街がカラフルになった理由
メキシコの街が今の形になったのには、思わず誰かに話したくなるような背景があります。その理由を3つのポイントで紐解いてみましょう。

■2つの文化がぶつかって生まれた「新しい色」
16世紀、スペインから伝わったヨーロッパの建築様式。そこに、メキシコの人たちが古くから愛してきた「鮮やかな原色のセンス」が爆発するように混ざり合いました。
「形は重厚なヨーロッパ、色は情熱的なメキシコ」という、世界にふたつとない独自のスタイルは、異文化の融合から生まれた奇跡なのです。
■「ここは私の家!」という目印から始まった
銀山で栄えた街・グアナファトでは、家が迷路のように密集していく中で、「どこからどこまでが自分の家か」をはっきりさせる必要がありました。そこで、隣の家との境目がひと目でわかるように色を塗り分けたことが、現在のカラフルな街並みにつながったとも言われています。
■古い壁に「今の色」を重ねる
メキシコの人たちは、建物を壊して新しくするのではなく、今ある壁を大切に使い続けます。そして、その時々の「自分が一番元気をもらえる色」を何度も何度も塗り重ねていくのです。
困難な時代であっても、自分たちのアイデンティティや誇りを失わないために街を明るく染め続けた……その歴史の層が、今の街並みに深い味わいと温もりを与えています。
実は、メキシコの街は「自由に塗っているだけ」ではありません。歴史地区では、国立人類学歴史学研究所(INAH)などの機関が、景観を守るためのガイドラインを設けています。周囲との調和を大切にしながら色を選ぶことで、あの美しい街並みは守られているのです。
暮らしをカラフルに。メキシコの色を取り入れるヒント

こうした色の魅力は、特別な場所だけのものではありません。気に入った色を、日常に少し取り入れるだけでも、部屋の印象は変わります。
ぜひメキシコの色を取り入れて、“カラフルな暮らし”を楽しんでみてください。
色の組み合わせを、もっと自由に楽しむ
メキシコの街並みが美しく見えるのは、隣り合う色が互いを引き立て合っているから。そんな色合わせを参考に、自由に色を組み合わせて楽しみましょう。

■「反対色」でリズムを作る
・ブルーの壁にオレンジのクッション
・イエローのカーテンにパープルの小物
こうした「反対の色(補色)」を組み合わせると、視覚的に心地よいリズムが生まれ、空間がグッとあか抜けた印象になります。
■「トーン」を揃えて多色を楽しむ
ピンク、ブルー、イエロー。メキシコのようにたくさんの色を使いたい時は、色の「鮮やかさ(トーン)」を揃えるのがコツです。パステルならパステル、原色なら原色でまとめれば、賑やかでも不思議と統一感が生まれます。
■「土の色」で落ち着かせる
鮮やかな色同士を組み合わせたとき、テラコッタやブラウンなどの「土の色」を少し添えてみてください。メキシコの伝統的な植木鉢のように、強い色同士を優しくなじませてくれます。

小さなアイテムから取り入れる
「大きな面積を変えるのは少し勇気がいる」という方は、まずは身近な雑貨やファブリックから。小さな面積でも、色を加えるだけでお部屋の印象はぐっと変わります。

■メキシコ伝統的な柄のクッションやラグ(サラぺ)
ファブリックをソファに無造作に掛けたり、クッションを一つ置くだけで、お部屋の表情がパッと明るいアクセントに。
■カラベラ(カラフルなどくろモチーフ)の雑貨やオブジェ
棚の片隅で目が合うたび、思わず笑みがこぼれるような愛嬌のある小物が、心をふんわりと解きほぐしてくれます。
■手仕事のぬくもりを感じる、カラフルなかご
散らかりがちな小物をざっくり入れるだけで、見せる収納としてお部屋を明るく彩ってくれます。
■メキシコの陶器や可愛いタイル
お気に入りのタイルをコースターにして、カラフルなマグでいつものコーヒーを。見慣れた食卓が少しにぎやかに、新しい一日を始めるのが楽しみになります。
こうしたお気に入りのアイテムが視界に入るたび、メキシコの街を旅しているようなワクワクした気持ちを届けてくれるはずです。

大きなカーテンで、空間を一気に変える
もし、お部屋の雰囲気をガラリと変えてみたいなら、窓辺の「カーテンの色」を掛け替えてみるのがおすすめです。
大きな面積を占めるカーテンにお気に入りの色や大胆な柄を選ぶことは、暮らしの風景を一気に塗り替えてくれる、もっとも効果的な方法。その鮮やかな色彩がお部屋にあるだけで、まるでメキシコの街を歩いているときのようなわくわく感を運んできてくれます。
■ビバ!フィエスタ

■ソル・アステカ

太陽のように明るく輝くマスタードイエローをベースに「アステカ模様」を描いた、当店オリジナルの遮光カーテン。使い込んだラグのようなムラ感を表現したプリントが 、窓辺に”味わい深さ”を添えます。
■グアナファト

まとめ

メキシコの街が教えてくれたのは、ただ見た目が美しいということだけでなく、「自分の好きな色を、もっと自由に楽しんでいいんだ」という、しなやかで力強いメッセージでした。
メキシコでは、鮮やかで生命力あふれる色彩を「Color Vivo(コロル・ビボ)」と表現することがあります。
直訳すると「生きている色」。それは 毎日を明るく過ごそうとする人々の気持ちが、そのまま街の表情になったような、優しくて力強い色のことです。
あなただけの「Color Vivo」を、暮らしのなかに取り入れてみませんか? 窓辺に新しい色が加わったとき、いつもの毎日がもっと愛おしく、生き生きとしたものに感じられるようになるはずです。

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