カーテンはいつからあるの?その歴史に迫る!

2021/11/11 2021/11/11

 

どの家庭にも必ずあると言っても過言ではないインテリアといえば?
そう、カーテンです。ほとんどの人が家の中が外から丸見えになってしまうため、それを防ぐためにカーテンを使っていますよね。

普段何気なく使っているカーテン。ところで、その起源について、今まで考えたことってありますか?
当たり前のように部屋にあるため、そんなことまで考えたことはなかったという人も多いかと思います。

カーテンの原型はいつ頃からあったのでしょうか。そして、いつ頃から生活に取り入れられるようになったのでしょうか。今回はカーテンの歴史に迫りながらどこで誕生し、どのようにして私たちが普段使っているカーテンに行き着いたのか、明らかにしていきましょう!

1. カーテンはどこから生まれた?

1-1 カーテンの語源

「カーテン(Curtain)」はラテン語の「コルティーナ(Cortina)」から変化したと言われています。
このラテン語は単純に「覆う」という意味だけではなく、「器」や「人の和」といったような意味もあるとされています。もしかすると昔は今以上に大きな意味を持ち、重要な役割を担っていたのかもしれませんね。

1-2 起源はどこ?

カーテンの起源は古代エジプト文明まで遡ります。現在のカーテンの素材は主に布ですが、当時は皮が主流だったため、布ではなく動物の皮を洞窟などの入口にドアのように吊るしていたようです。カーテンの形としてもデザインとしても現在のカーテンのそれとは全く違いますよね。(笑)

ただ、外の空間と内の空間を遮断すること、遮光することなどは当時から行われていたようです。その時代はカーテンというより、皮でできた窓やドア代わりのようなものだったと言ってよいでしょう。現代ではあまり見ないため、だいぶ違った使われ方をしていたんですね。時代の変化と共にやがて布などが使われるようになり、寝台や寝所に天幕のような形で使われ始めました。現代のカーテンとは形も使い方も異なりますが、寝台や寝所で空間を仕切ることや、空気や光を遮るという点では現代のカーテンと似ている部分が次第に増えていきます。

人間が生活する上で、寒い風や光を遮ることはとても重要です。古代も現代も「人間が生活する」ことは不変の真理。それを維持するためにカーテンのような道具が生まれてくるのは当然かもしれませんね。カーテンの起源は古代文明の人々や生活に遡り、そして現代まで受け継がれる。なんか深いですね。(笑)

2. ヨーロッパから見るカーテンの発展

カーテンが誕生した古代エジプト文明から、時は流れて中世へ。中世といえば綺麗なヨーロッパの街並みや貴族の華やかさが印象深いかもしれません。

この頃になると、カーテンは古代エジプトのものよりも現代に近い形になっています。ヨーロッパではどのようなカーテンが人々に愛されたのでしょうか。

ここからは時代別にヨーロッパにおけるカーテンの発展を見ていきましょう。

2-1 14〜15世紀の特徴

14世紀から15世紀ごろになると、ヨーロッパではカーテンを窓につけるという文化が形成されるようになりました。
また、カーテンは天蓋やアルコーブと呼ばれる横穴式ベッドの間仕切りとして使われていました。15世紀以降のルネッサンス様式になると、建築物の窓にガラスが使われるようになります。
室内装飾においても窓ガラスが誕生したことで、カーテンで窓を飾るようになったのです。しかしながら、現在のように遮光、遮熱などカーテンの一般的な役割よりは、あくまで窓そのものを飾り立てるという意図が強かったとされています。

当時はガラスが非常に貴重であり、大量生産できない時代だったので、「ガラスの窓=裕福さ」という考えが当時の人々に強く根付いていました。ガラスの窓の存在は価値が高かったため、当時カーテンはガラスの窓を飾り立てるための存在に過ぎませんでした。

ルネッサンス時代のカーテンにはデザインの基本であるシメントリーとバランスが重要視され、水平で直線的なカーテンが主流でした。カーテンの上飾りやタッセルもこの頃から見られるようになります。

2-2 17〜18世紀の特徴

ルネッサンスを経て、ヨーロッパで流行したバロック様式が登場した17世紀ころは美術・建築・文化が最も進化を遂げた時代で、ルネッサンス様式からさらに豪壮で華麗なものへと発展しました。
その影響でバロック時代では、金銀糸を織り込んだ錦織などの豪華な生地が使われるようになり、華麗な装飾が施された重厚感のあるカーテンが流行しました。
そして何よりも重厚なデザインは貴族のステータスでもありました。

18世紀のロココ様式になると、洗練された繊細・優美さが流行したため曲線をふんだんに取り入れてカーテンの裾をスカラップラインにしたり、縁飾りが施されたり、床に引きずる丈のゆったりとしたスタイルへ変化していきます。
18世紀末のアンピール様式では、再び直線的なシメントリーに移り変わります。フランス革命の影響により様式の統一も薄れ、さまざまなスタイルが自由に取り入れられるようになっていきました。

2-3 19世紀の特徴

さらに時代が流れて19世紀ごろになると華美なものから少し落ち着き、ヨーロッパでは芸術がモチーフに自然性を求めるようになります。
そしてカーテンは今のデザインの基盤ともいえるものが出来上がり、現代のようなドレープカーテンとレースカーテンの両方をを併用するスタイルが普及し始めるようになります。
現在私たちが使用しているカーテンのルーツは19世紀のヨーロッパにあるといえるかもしれませんね。

ここまで聞くとカーテンはヨーロッパのものというイメージが強くなってしまいますが、果たして日本に持ち込まれたのはいつ頃だったのでしょうか。次は日本におけるカーテンの歴史について触れていきたいと思います。

3. 日本のカーテンの歴史

3-1 日本ではいつ頃から使われたのか?

日本にカーテンが持ち込まれたのは江戸時代だったとされています。日本にはすでに昔から障子などの独自の遮光や空間を遮断する手段があったため、カーテンは後から入ってきた外国の文化のひとつでした。その背景があるためか当時はカーテンが日本に入ってきても、すぐに一般的に広く使われるということはなかったようでした。カーテンが江戸時代に使われていた場所は主に外交館などの海外から来た人たちの拠点であり、ある程度使われるシーンは限られていました。長崎の出島にあった外交館などでは、江戸時代の初期からカーテンが使われていたという話もあります。

3-2 カーテン文化の始まり

現在のカーテンが日本で実際に使われるようになったのは幕末から明治にかけての時代であったと考えられています。
当時、カーテンは「窓掛け」と呼ばれており、日本人にとってほとんどが輸入品の重厚で高価なものでした。

「カーテン」という言葉が使われるようになったのは明治末期になってからで、素材として綿、毛、絹、麻などが用いられて、国内で生産され始めました。
カーテンが一気に一般家庭に普及したのは、1950年代半ばのことです。これは終戦後、急速な経済発展が始まり、都市部に人口が集中するようになった時代です。

都市部の住宅不足を解決するために、住宅の大量供給を目指しテーブルと椅子で食事をするダイニングキッチン、ベランダに面して部屋が並ぶ、いわば洋風のライフスタイルが日本に広がりました。
椅子を使う洋風の暮らしの窓にはカーテンが似合いますよね。この茶の間からリビングルームへの移行が日本にカーテン文化をもたらしたといえます。

4. 進化し続けるカーテン

4-1 時代と共に増えるバリエーション

古代エジプト文明で生まれ、ヨーロッパで発展し、日本に伝わったカーテンは機能性、デザイン性においても日々発展し続け、今日に至っています。

住宅の洋風化によって、日本の住宅は和室の割合が低くなり、主流となった洋室の窓にはカーテンが欠かせないものとなりました。
洋風建築も増えたことで窓の形状も複雑化し、今ではドレープカーテンだけではなく、カーテンレール、ロールスクリーン、ブラインドなどアイテムの種類は豊富になりました。

かつて人の手で織られていたカーテンは、現在プリント技術の向上や、織物産業の発展によってさまざまな色や柄を作り出すことができるようになり、デザイン性も強くなっていきました。

4-2 こんな機能もあるの!? 最新機能のカーテン

カーテンの機能性は特に目覚ましい進化を遂げています。

遮光、遮熱、遮音はもとより、透過性を維持しながら外からの視線を遮るミラーカーテンや紫外線を遮るUVカットのカーテン、気になる臭いを分解し中和してくれる消臭機能、
ウォッシャブルなど人々のニーズに応える機能性カーテンが続々と開発されています。住まいを快適にしてくれる機能性カーテンの需要は今後も高まるでしょう。

これからさらに技術や産業の発展によって、カーテンに新しい機能が増えるかもしれませんね。皆さんならどんな機能が欲しいですか?

いかかでしたか?私たちの部屋に当たり前のようにあり、当たり前に使っているカーテン。
今回は普段考えたこともないカーテンの歴史についてまとめてみました。カーテンは長い歴史を経て、現代のかたちにたどり着いたのですね。
今一度お部屋のカーテンに注目し、歴史を知った上でデザインや素材を観察してみるのも面白いかもしれません。
より快適な空間を得られるよう、自分に合った最新の機能付きカーテンを是非探してみてください!

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